飲酒の健康効果と高齢者にとっての適量の目安とは

「酒は百薬の長」という言葉があるように、適量のお酒にはLDLコレステロールの増加を抑制したり、HDLコレステロールの増加を促進したり、血液が詰まりにくくなって虚血性心臓病のリスクを減したりといった効果があります。しかし適量を超えてしまうと逆効果になってあらゆる危険性が高まってしまうため、特に高齢者の過剰な飲酒はさまざまな疾患の引き金になってしまい、将来的に寝たきりになる危険性を高めてしまいます。

厚生労働省によると、適量のお酒の量は純アルコールで計算すると20gとされています。例えばアルコール度数4.6%のビールであれば中瓶1本、アルコール度数15.4%の日本酒であれば1合、アルコール度数7%のチューハイであれば1缶、アルコール度数25%の焼酎であれば0.6合となります。ただしこの量は目安であり個人差があるので、お酒が弱い人や高齢者は半分量にすると良いでしょう。

また高齢者が飲酒する際には、以下の点にも注意が必要です。

まず「足がもつれる程飲まないこと」です。転倒して骨折してしまうと、骨折箇所によってはそのまま寝たきりになってしまうリスクが高くなります。次に「薬を飲んでいる場合は飲酒していいか医師に確認する」ことです。お酒によって薬の効果が強まったり弱まったりする可能性があります。また「飲酒後のサウナはさけること」も大切です。血圧が急に上がるため、脳卒中をおこす危険性があります。最後に「ガンマGTPの数値を確認すること」です。男性で60、女性で30以上の場合は肝機能が低下しているため、飲酒は控えた方が安全です。